情動による想像による創造
―――― Emotion ⇒ Imagination ⇒ Creation = three-ion ――――
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「なぁ」 「ん?」 話しかけると、隣の彼は笑顔でこっちを向いた。 「今日さ、よかったん」 「何が?」 「クリスマスやのに、」 「あー」 イルミネーションで彩られ、 普段より笑顔が溢れる大通りを並んで歩いていた。 思っていたよりもずっと寒くて、 隣で揺れていた手をつかんだ。 本当は寒かったなんてのは言い訳で、 ただこのありえないくらいの人ごみの中じゃ、 君を見失ってしまうんじゃないかなんて。 「杏?」 「・・・何か、ごめんな」 「っはは。別にええよ、そんなん」 「でも」 クリスマスなのに、どうせ近づけもしないアイドルなんか追っかけて。 どうしてそれを笑って許せるんだろう。 あたしなら多分、そんなこと出来ないと思う。 それなのに、。 「嫌ちゃうん」 「んー?」 「萄太は、あたしがこんなんで」 「んー。でもさ、そーゆうとこも含めて、杏がいいと思ったから」 「・・・・・・そっか」 「うん」 優しさはいつでもここにある。 あの人たちがいう愛って、多分こういうことをいうんだろうか。 「あたしも、・・・萄太のそーゆうことが好きなんやろーな」 「え、何?」 「んーんー。何にもないー」 「あ、豚まん買わん?」 そう言ってコンビニに走っていく萄太の背中を、 あたしは笑いながらおいかける。 遠くのあの人を追いかける愛も、 近くの彼を追いかける愛も、 あたしにとっては同じ『愛』なわけで。 だから順位をつけるとか、 どちらかに絞るとか、 そういうのはどうでもいいのかも知れない。 「あ、俺やっぱピザまんにしよっかな」 「そんなん邪道や。豚肉に失礼」 「何っやねんそれ。・・・じゃあ俺も豚まんにしとくー」 それにクリスマスだとかそうじゃないとか、 初めからあたしたちには関係なかったんだった。 <...END> ⇒NEXT PR |
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