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情動による想像による創造 ―――― Emotion ⇒ Imagination ⇒ Creation = three-ion ――――
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「茅子せんぱーい」

「? あぁ、三原さん」


休憩室でぼーっとしていると、後輩の三原さんに声をかけられた。

私の仕事は、ある会社の受付係だ。


「コーヒーどうぞ」

「あ、ごめん、ありがと」


紙コップを受け取る。

彼女は私の向かいの席に座った。


「何か今日の先輩元気ないなぁ」

「・・・そうかな」

「そうですよ! もっと笑わないとっ。 ほら、スマイルスマイル!!」


そう言いながら、彼女は自分の口の両端を人差し指で軽く持ち上げた。


「笑うと元気が出ます」

「そうね」

「誰かを元気にすることもできます」

「・・・うん」

「茅子先輩、元気になりました?」

「え?」

「あたし、今ちゃんと笑ったでしょ」


三原さんはコーヒーを一口飲んだ。


「何があったかとか分かりませんけど、笑ってみたらいいと思います。

 ・・・あたし、茅子先輩の笑顔が素敵だったから、

 この仕事に就いたんですよ」

「え、」

「どんな人にも変わらず笑顔で対応して、先輩は毎日誰かを元気づけてる。

 ・・・あたしも、そんな大人の女性になりたいな、って」

「・・・・・・、・・・」

「だから、茅子先輩が悲しそうなのは嫌だな」


休憩時間終了のチャイムが鳴った。

彼女は残っていたコーヒーを飲みほしてから立ち上がった。


「じゃ、あたし先に行ってますね」

「えぇ」

「それじゃ、」

「あ、三原さんっ」


歩き始めていた彼女は立ち止って振り返った。


「ありがとう」

「っふふ。どういたしまして」


彼女は綺麗な笑顔を残して去っていった。














「・・・はぁ」


一人残ったテーブルで、三原さんがくれたコーヒーを飲んだ。

後輩にまで気を遣わせてしまうなんて、

私はそんなに思いつめた顔をしていたのだろうか。


「仕事に持ち込んじゃうなんて、」


そんなことじゃいけない。


「戻らないと」


立ち上がって、コーヒーの紙コップをゴミ箱に捨てた。














「あ、茅子先輩」

「ん?」


受付に戻ると、三原さんが手招きで私を呼んだ。


「先輩にお客様ですよ」

「私に?」


三原さんが示した先にいた女性は、私に小さく礼をして言った。




「初めまして、・・・川原心です」





















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