【 2 】

一日誰とも話すこと無く過ごした。

信じられなかったが、先生すら話しかけてこない。


あたしが何をしたと言うんだろう。

昨日まではこんなことはなかったのに。


ただ普通に友達と笑って、先生に小言を言われて、

何となくだが楽しんで生きてきた。

それがたった一日でこんなに変わってしまうなんて。



先生は、出欠確認ですらあたしの名前を呼ばなかったのだ。





「・・・、ただいまー・・・・・・」

リビングに入ると、テーブルの上は朝見たときと全く同じだった。

冷めたどころかパリパリに乾いてしまったご飯が可哀そうに見え、

湯呑の中のお茶には小さな虫の死骸が浮いていた。


「何でおらんねん」


ソファに鞄を放り投げて片づけをはじめた。

出かけるなんて一言も聞いてないのに、

どこへ行ってしまったんだろう。




適当にテレビを見て、インスタントラーメンを食べて、

お風呂にも入ってまたテレビを見て、

だけど結局父も母も帰ってこなかった。

電話をかけても全く繋がらないし、

メールを送っても一向に返事が来ない。


「何かあったんかな・・・、・・・・・・」




気付けばあたしは、そのままソファで眠ってしまっていた。









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